突然の故障で動かなくなった除雪機を前に、その対応に悩む方は少なくありません。
冬に欠かせない機械が動かなくなると、どのようにすれば良いか判断に迷うこともあるでしょう。
実は、動かない除雪機を手放す方法は6つあります。
「修理にはいくらかかるのか」「処分にお金は必要なのか」「そもそも売れるものなのか」といった疑問を抱く方もいるかもしれません。
この記事を参考にすれば、お持ちの除雪機の状態に合った、いくつかの処分方法が見つかる可能性があります。
「エンジンがかからない」「前に進まない」「雪を飛ばせない」という3つの主な症状別に、考えられる原因と対処法を詳しく解説します。
除雪機の心臓部ともいえるエンジンが動かない場合、原因は燃料系か点火系にあることがほとんどです。特に、シーズン初めにエンジンがかからないトラブルは、古い燃料が原因となっているケースが少なくありません。
シーズン初めにエンジンがかからないとき、よくあるのがこの原因です。春から秋にかけて長期間放置されたガソリンは劣化し、キャブレター内の細い通路を詰まらせてしまうのです。
まずは、燃料タンクの古いガソリンをすべて抜き取り、新しいものに入れ替えましょう。燃料フィルターの状態も一緒にチェックしてみてください。それでもダメな場合は、キャブレターの分解清掃(オーバーホール)が必要です。
ただし、自分で分解すると部品をなくしたり、組み立てを間違えたりするリスクも。少しでも不安なら、無理せず専門の業者に相談するのが安心です。
セルモーターは回るのにエンジンがかからない…そんなときはスパークプラグを疑ってみましょう。スパークプラグは燃料に火花を飛ばす大切な部品で、定期的な交換がおすすめです。部品代も安く、自分でも比較的簡単に交換できます。
プラグレンチを使ってプラグを外し、先端が黒いススで汚れていたり、ガソリンで湿っていたりしないかチェック。汚れている場合は、掃除するか新品に交換しましょう。交換しても症状が変わらない場合は、他の原因が考えられます。
キーを回しても「カチカチ」と音がするだけでエンジンがかからないなら、バッテリー上がりを疑いましょう。長期間使わなかったことによる自然放電や、寒さで性能が落ちることが原因でよく起こります。
まずは充電器でバッテリーを充電してみてください。もし充電してもすぐにダメになるようなら、バッテリーの寿命かもしれません。新しいものに交換することをおすすめします。ちなみに、手動でひもを引いてかける「リコイルスターター」付きのモデルなら、そちらでエンジンをかけてみるのも手です。
▼おすすめ記事
もし修理費用が高額になるようでしたら、除雪機の寿命に関する記事を参考に、今後の利用計画を見直すのも一つの方法です。
エンジンはかかるのに、前に進んだりバックしたりできない…。そんなときは、動力を伝える部分に問題がある可能性が高いです。原因は、自分で直せるベルトの劣化から、修理代が高額になりがちなミッションの故障まで様々です。
エンジンはかかっているのに進まない、またはスピードが極端に落ちた場合は、まず走行ベルトをチェックしてみましょう。Vベルトはエンジンの力を車輪に伝えるゴム製の部品で、使っているうちにすり減ったり劣化したりします。
安全をしっかり確認してからカバーを外し、ベルトにひび割れがないか、張り具合はちょうど良いかを見てください。もし緩んでいたら調整し、傷んでいる場合は新品と交換しましょう。ベルト交換は費用も比較的安く、自分でチャレンジしやすい作業です。
走行ベルトには問題ないのに動かない、または「ガリガリ」と変な音がして止まってしまった場合は、ミッションが故障したのかもしれません。ミッションはスピードを調整する大切な部分で、中のギアなどが壊れると走れなくなってしまいます。
ここの修理は専門的な知識と技術が必要なので、自分で直すのはほぼ不可能です。すぐに専門の修理業者に見積もりを依頼するのがおすすめです。ミッションの修理代は10万円を超えることも多く、これだけ高額になるなら、買い替えや売却も考えてみるのが良いでしょう。
エンジンもかかるし、ちゃんと走行もできる。でも、肝心の雪が飛ばせない…。こんなときは、雪を掻き込む「オーガ」という部分をチェックしてみてください。
オーガの回る力が弱かったり、「キュルキュル」とベルトが滑るような音が聞こえたりする場合、オーガベルトに問題がある可能性が高いです。このベルトは、エンジンの力をオーガに伝える大切な部品です。
走行ベルトと同じように、使い続けると緩んだりすり減ったりして、雪を遠くに飛ばせなくなります。作業前にエンジンを止め、ベルトカバーを開けて状態を確認し、必要なら調整や交換をしましょう。
除雪中に石などを巻き込んで、急にオーガがピタッと止まってしまったことはありませんか?その原因は、シャーボルトが折れたのかもしれません。シャーボルトは、いわば「安全装置」のようなもの。オーガに大きすぎる力がかかったときに、あえて折れることで、もっと高価な部品が壊れるのを防いでくれるんです。
オーガの軸を見て、折れたボルトが残っていないか確認しましょう。巻き込んだ石などを取り除いたら、必ずメーカー指定の純正ボルトに交換してください。安い代用品を使うと、かえって大きな故障につながることがよくあります。わずかな部品代をケチって、何倍もの修理代がかかってしまったら、もったいないですよね。
はじめに、考えられる6つの処分方法を「費用」「手間」「時間」の3つの視点から比較します。
それぞれの状況に合った選択肢を見つける一助となるでしょう。
| 処分方法 | 費用 | 手間 | 時間 |
|---|---|---|---|
| 専門の買取業者へ売却 | かからない(売却益あり) | 少ない | 少ない |
| 不用品回収専門業者に依頼 | 高額になりやすい | 少ない | 少ない |
| 自治体のルールに従って捨てる | かかる | かかる | かかる |
| 修理して使い続ける | 高額になる可能性あり | かかる | かかる |
| フリマアプリやネットオークションで売る | 売却益あり(送料・手数料考慮) | かかる | かかる |
| 知人や友人に譲る | かからない | 中程度 | 中程度 |
▼おすすめ記事
売却が難しい状態であっても、不適切な処分は避けたいものです。除雪機の処分方法と費用についてまとめた記事をご確認ください。
次に、それぞれの方法の具体的な内容と、メリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
ルールを守って、安心して処分したい方におすすめの方法です。
多くの自治体では、除雪機は通常の粗大ゴミとして扱われず、「処理が難しいもの」に指定されている場合があります。
処分を考える際は、まず所在する市区町村の役場に連絡し、正しい手続きを確認することが大切です。
この方法のメリットは、公的なルールに基づいて手放せる点です。
ただし、処分費用がかかることや、燃料・エンジンオイルを抜く作業が必要になる点には留意が必要です。
また、重たい本体を指定の場所まで運ぶ労力も考慮しておく必要があるでしょう。
購入して日が浅いモデルや、愛着があってこれからも長く使いたい方に合っています。
故障の原因がベルトの調整や点火プラグの交換といった比較的簡単なものであれば、修理して使い続けるのも良い方法です。
しかし、修理費用が高額になるようなら、売却して新しいモデルの購入資金にした方が、結果的にお得になる可能性もあります。
査定の現場では、高額な修理見積もりに驚くケースが見受けられます。
特にエンジンの故障では、10万円以上の費用がかかることも珍しくありません。
古い機械の場合、一度修理してもすぐに別の場所が壊れる「故障の連鎖」が起きるリスクもあります。
修理費が一定額を超えるようなら、一度立ち止まって他の方法を検討することも一案です。
手間をかけずに売却を検討したい場合に、選択肢となる方法です。
「動かない状態でも買い取ってもらえるのか」という疑問を持つ方もいるでしょう。
専門の買取業者は、動かない除雪機でも価値を見出し、再利用や修理販売を行う専門知識を持つ場合があります。
例えば、使える部品を再利用したり、海外での修理・販売ルートを持っていたりすることもあります。
買取業者によっては、電話やウェブサイトからの申し込み後、スタッフが自宅まで訪問し、その場で査定から運び出しまでを行うサービスを提供しています。
手間のかかる燃料抜きも不要な場合が多く、売却の手間を軽減できる点が利点の一つです。
▼おすすめ記事
「修理してもまたすぐに壊れるかも」とご心配な場合は、一度除雪機の買取価格を調べてみることをお勧めします。故障機でも買い取れる可能性があります。
個人間の取引に慣れていて、手間を惜しまず高く売りたい方に適した方法です。
ネットのサービスを使い、自分で値段を決めて出品する方法です。
「ジャンク品として出品」すれば、修理できる人や部品が欲しい人が買ってくれる可能性があります。
ただし、この方法は経験者向けの選択肢と言えます。
商品の写真撮影、故障状態の正確な説明、購入希望者からの質問対応、そして売れた後の梱包や発送手配まで、すべての作業を自分で行う必要があります。
特に除雪機のような大きな機械の発送は、運送会社選びから高額な送料まで、大変な点が多くあります。
「動かないと書いたのにクレームが来た」といったトラブルも起こりがちです。
周りに除雪機が欲しくて、自分で修理できる人がいる場合に有効な方法です。
もし、身近に故障した除雪機を引き取ってくれる人がいれば、費用をかけずに手放せるでしょう。
しかし、いくつか注意点があります。
「壊れている」ということをはっきりと伝え、相手に納得してもらわないと、後の人間関係トラブルの原因になるかもしれません。
せっかくの親切が、かえって問題にならないよう、丁寧にコミュニケーションをとることが大切です。
また、どうやって運ぶかについても事前に話し合っておくと安心です。
費用よりもスピードを重視し、とにかく早く引き取ってほしい方向けです。
電話一本ですぐに対応してくれる不用品回収業者は、手間と時間の面ではとても便利です。
しかし、引き取りサービスの中には費用が発生するサービスもあります。
中には「無料回収」をうたいながら、トラックに積んだ後に高額な費用を求める業者もいるため、契約する前によく確認することが重要です。
▼おすすめ記事
売却が難しい状態であっても、不適切な処分は避けたいものです。除雪機の処分方法と費用についてまとめた記事をご確認ください。
自身で処分したり譲ったりする場合は、安全のために燃料やエンジンオイルを抜く作業が必要です。
これは火災などを防ぐうえで、重要な作業となります。
まず、燃料タンクとキャブレターからガソリンを完全に抜くことが求められます。
市販の給油ポンプを使うと作業がしやすくなるでしょう。
抜いたガソリンは、ガソリンスタンドなどでルールに従って正しく処分する必要があります。
次にエンジンオイルを抜きます。
少しエンジンを動かしてオイルを温めてから抜くと、スムーズに作業できることがあります。
抜いたオイルは廃油処理箱などを使い、自治体のルールに従って処分してください。
最後に、バッテリーが付いているモデルの場合は、ショートを防ぐため、必ずマイナス端子、次にプラス端子の順番で外すのが基本です。
これらの作業は手間がかかるため、面倒だと感じる方は、買取専門業者に相談することをおすすめします。
結局、どの方法を選べば良いか迷うこともあるでしょう。
ここで、判断のポイントを整理します。
もし、売却による経済的なメリットを期待するなら、買取業者への売却を検討することをおすすめします。
手間や時間を節約したい場合も、申し込みだけで済む買取業者は一つの選択肢となります。
一方で、愛着があってこれからも使いたいという場合は、修理も良い選択肢です。
ただし、その場合でも一度、買取査定で「今の市場価値を把握」しておくと、修理費用が妥当かどうかを判断するのに役立ちます。
この記事では、動かなくなった除雪機の処分方法を6つのパターンに分けて詳しく解説しました。
重要なのは、「故障した除雪機は、まだ価値があるかもしれない」と認識しておくことです。
費用を払って処分する前に、まずその価値を確認してみることも一考です。
特に、修理費用が高額になりそうな場合や、長く使った古いモデルの場合は、一度専門家に査定してもらうことを検討するのも良いでしょう。
無料査定を提供しているサービスもあるため、提示された査定額を参考にして、修理するか売却するかを検討することができます。
この記事が、除雪機に関する課題解決の一助となれば幸いです。
0120-559-587
(受付時間 9:15~18:00)